いがらむ

路地へ 中上健次の残したフィルムのいがらむのレビュー・感想・評価

3.6
中上健次が残した言葉「路地」。この言葉で一本の映画ができてしまう力がある。紀州に導かれる中年の男の不思議な旅。何か肉を感じさせる和歌山弁に乗せた中上健次の残した文章が、映像と詩のあわいに溶けてゆく。そして、たむらまさきはここでも赤い車と併走する列車を収めるこの世で最も美しいカットのひとつを見せてくれる。これがミステリートレインとドライブマイカーだ。
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