GaPTooth

ブルグ劇場のGaPToothのネタバレレビュー・内容・結末

ブルグ劇場(1937年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

原題:BURG THEATER

いきなりライヒスアドラー(ドイツ/鷲の国章)の映像がドーン!と(笑)
オーストリア-ウィーンが舞台だが、ドイツ作品(特典映像の情報より)

ブルグ劇場はウィーンの歴史ある王立劇場であり、オーストリアの演劇人たちにとっての憧れ、そして神聖な場所である。
俳優を目指す若者たちはブルグ劇場の舞台に立つことを夢見ている。
そして彼らからの羨望の的であり、類い希なる有名人が、ブルグ劇場の専属俳優ミッテラーである。

人生の全てを演劇に捧げてきた老名優ミッテラー。教会で熱心に祈る若い娘レニの姿に心惹かれてモーションをかける。

愛する人のために"聖水に浸したペンダント"を渡したり、"招待状"を偽造したり、ミッテラーに懇願したり、と知らず知らずとはいえミッテラーを振り回す仕立て屋の娘レニ。

ただただ「ブルグ劇場の専属俳優になりたい」という願いで真っ直ぐに突き進む若き俳優ライナー。男爵婦人の気まぐれに振り回されたとも言える鈍感な男。

「偶然」と「ちょっとした勘違い」と「本意ではない成り行き任せ」から生じた3人の人生劇場。

レニから「ライナーの救済」を懇願されたミッテラーの心情が、舞台上で魅せた演技や鏡に写るメイクを落としかけた自分の顔に向かってバカ笑いする姿に投影されていた。去り際(引き際)も潔し。軽い平手打ちがお茶目ではあったd(^-^)
ミッテラーに感情移入して観てたら感涙してしまった。

物語に"音楽"や"舞台演劇"を巧みに絡めた演出の数々、何より俳優陣が皆さん達者でお見事(*’ω’ノノ゙☆パチパチ
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