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『ブルグ劇場』に投稿された感想・評価

◎老名優、仕立て屋の娘、男爵夫人、役者志望の青年。
老名優が仕立て屋の娘を見初めるところから始まり、大きな勘違い、出来心、嘘、誤解、噂が連鎖して繋がってゆく。

◎当時のウィーンの華やかさが想像できる。ビルフォルストらしく、衣装から劇場、パーティ会場、調度品に至るまで全てが上品でエレガント。
odyss

odyssの感想・評価

4.0
【芸術家と市井の幸せ】

 ウィーンを舞台にした戦前のモノクロ映画。劇場や演劇人がからんでいるので、劇中劇や、芝居感覚の人間関係を見る面白さがある。

 主要登場人物は4人。名声を誇る中年男優ミッテラー、芸術のパトロンを自認しミッテラーを何とか自分の夜会に呼ぼうとするゼーバッハ男爵夫人、演劇で身を立てたいと念じている青年ライナー、ライナーが下宿している仕立屋の娘レニ。

 ミッテラーは高名ながら騒々しいことが嫌いで、男爵夫人の夜会に誘われても行く気がない。ある日教会で熱心に祈るレニを見て、その清楚な美しさに惹かれ、レニの父親がやっている仕立屋に注文をしに出かけるようになる。ミッテラーはレニを異性として愛しているのだが、レニは高名な中年男性の好意をあくまで友人としての親切だと思っている。
 レニが心を寄せているのは自分の家の二階に下宿している演劇青年ライナー。しかしライナーはオーディションを受けて落ちてしまう。落胆する彼を何とか舞台に立たせようとしたレニは、たまたまミッテラー宅に男爵夫人から夜会への招待状が来ているのに気づき、それをライナー宛てに書き換えてしまう。
 高名な俳優ではなく無名の青年がやってきたのに男爵夫人は戸惑うが、客の前では取り繕って、将来有望な俳優の卵だと紹介する。お陰でライナーは端役ながら舞台に立つ機会を得、夫人は若くハンサムな彼に惹かれていき・・・・・

 2組の男女が交錯するように惹かれたり、勘違いで接近したりする筋書きが面白い。しかしそうした交錯も、よく見ると中年が一方的に若い異性に惹かれるという構図であり、もう若くない中年男女が魅力ある若者に報われぬ恋をするところがせつない。特にそれはミッテラーの場合にはっきりと出ていて、レニと結婚できれば演劇界を引退しようとまで思いつめるわけで、ここに芸術と実生活の相克というテーマがあらわれている。一方男爵夫人は若い男優との関係が社交界で噂になり、夫との関係が危うくなるが、最終的には自分や夫の身の安全を第一に考えて行動するので、あまりいい印象は残らない。

 とはいえ、男爵夫人役のオルガ・チェホーワは中年女性の熟した美しさを見せてくれるし、レニ役のホルテンセ・ラキイは、今どきの感覚からするとやや厚化粧だが、若い清楚な娘の持つ無垢な魅力と無知から来る残酷さをうまく出している。青年ライナー役のヴィリー・アイヒベルガーのどこか浮ついた演劇青年ぶりもいい。しかしやはり全体の印象を統合し高めているのは、高名な芸術家ながら市井の幸せを断念するミッテラーを演じるヴェルナー・クラウスであろう。

 最初と最後に使われているブルックナーの第4交響曲が、この映画は人間喜劇だけれど同時に厳粛な側面があるのだと教えてくれているようだ。喜劇と悲哀は隣り合わせなのである。
三四郎

三四郎の感想・評価

4.8
鑑賞後、あゝ有意義な時間を過ごした、観てよかった、そう思わせてくれる粋なウィーンらしい作品。
ヴィリー・フォルスト監督好きだなぁ!洗練されていて格調高い、なんとも品のいい作品を創る監督だ。生粋の維納っ子だからだろう。

男爵夫人の見捨てかた…一人勝手に若者に恋をし、威厳を保ちさらりと捨てる。これぞ貴族。青い血の方々は、平気で人をモノのように扱い、すましている。
悲劇で終わらず、それぞれにそれぞれの美しい終幕をつけているところが良い!

名誉あるブルク劇場の専属大俳優。彼はその名声をものにするために恋もせず、社交界へも行かず、真面目にただひたすら実直に日々舞台と家の往復を繰り返し、晴れた日に街を散歩し、その気持ちの良さ心地の良さに心揺さぶられる。全ては舞台のために、そして常に役者として生きているような人物だ。そんな彼がある日教会で若き純真な娘に出会い一目惚れ。自分の歳も忘れ彼女に夢中になる。人生最初で最後の崇高なる恋愛だ。

自殺しようとした若き青年に「君の一世一代の大芝居だな!私はキミと替わりたい!」と失恋の哀しみを爆発させる。もちろん青年は何を言っているのか理解できない。
舞台後、鏡に映る自分を見て彼は哀れで笑ったのだ…「俺が、この年老いた俺が、あんな若い娘に恋するなんて…娘が俺を受け入れてくれるとでも思ったのか愚か者よ!いつも鏡で見てた俺の顔じゃないか、なぜ気づかない!」
彼はそう思ったに違いない。実に哀れだ。しかし、いくら勘違いしたとはいえ、何歳になっても恋愛は甘酸っぱいものがあるようだ。同時に苦い薬もあるが…。

レニの名が書かれ浄められた首飾り…この首飾りが青年を救い、老人をもある意味救ったのである。老人は、青年は若いのだから「自殺などするわけがない」と思っていた。しかし夜、舞台の上から首飾りが落ちてきて青年の絶望を知り、青年の命を救い説教し立ち直らせたのだ。老人は後悔せずにすんだのである。
説教し終わった後、こらえきれず青年をひっぱたいて去ってゆく。老人は門番に、青年を待ち続け居眠りしている娘とそれに寄り添う青年、この若い二人の邪魔をしてはならぬと言い残し家へ帰って行く。
ブルク劇場の大俳優としてのミッテラーも『ブルグ劇場』のヴェルナー・クラウスも最高の名演技だ!
青年は熟睡している彼女に「本当は君のこといつも思っていたんだよ もう絶対離さないからね」といった甘い言葉を囁く。
冒頭と終幕が同じ題目、そしてブルク劇場をスクリーンいっぱいに映している。実に気持ちがいい!失恋の痛手から立ち直り、ミッテラーは今日も舞台へ立ち喝采を浴びるのだ!

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