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ハムレットのmonのネタバレレビュー・内容・結末

ハムレット(1990年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

中世苦手だけど、シェイクスピアの紡ぐ言葉に虜になってしまう。
メルギブ(ハムレット)、ヘレボナムカーター(オフィーリア)至高🙏

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土に帰った父を恋しがるのはよしなさい。すべては世の常。生あるものは必ず死に、永遠の命を得るのです。

喪服を着て嘆くだけでは私の真情は表せません。それらは所詮人間が演じる仕草。真実は心の中にある。目に見えるのは飾りです。

たとえ大地が隠そうとも悪事は必ず姿を現す。
人間の場合も同じだ。人格に何か欠点があると、どんな美徳も無駄になる。たった一つの汚点のために地に落ちるのだ。

生か死か。運命の矢弾を耐え忍ぶのが立派な生き方か、剣をとって苦難に立ち向かい最後まで戦うべきか。
死とは、眠ること。それだけだ。眠ればすべてが終わる。心の悩みも肉体を襲う数々の苦しみも。だとすれば、この上なく幸福な結末だ。死ぬ、眠る。
眠れば夢を見る。それがやっかいだ。浮世を離れ永遠の眠りについたとき、どんな夢が訪れる?それを思って皆ためらい、つらい人生を長びかせる。
さもなければ、誰が我慢するものか。横暴な権力者やおごり高ぶるもの、さげすまれた恋の苦しみや裁判の引き伸ばし、くだらぬ相手に耐え忍ぶ屈辱。その気になれば短剣の一突きで、いつでも死ねるのに。
それでも重荷を背負い、汗水流してつらい人生を歩む。それはひとえに死後を恐れるからだ。この未知の国に入った者は、1人も帰ってこない。だから決意が鈍る。予想もつかぬ苦難に飛び込むより、この世で耐えた方がまし。そう思う心が我々を臆病にする。決意に満ち紅潮した顔色が、分別で青白く塗り替えられる。生死をかけた大事業も、このようにして流れに乗り損ない、成就せずに終わるのか。
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