このレビューはネタバレを含みます
あまり主張も強くなく、控えめな演出。
入門やおさらいとして観るには充分かと…
シェイクスピア作品の節々に姿を見せるシニカルさってのは…思索の種には持ってこいな題材ばかりですよね(笑)
悲劇の戯曲の中で最も長いだとか、演出や切り取り方がどうだとか、蘊蓄や真面目なレビューは諸先輩方にお任せします(爆)
なので今回もan0nym0usお得意の…
煙に巻くレビュー(笑)
To be, or not to be…
言わずと知れた名言のひとつ。
それは時に『優柔不断』だとも評されるけれど…
決断を先延ばしにする姿勢の表現とも思える。
大事な決断をせずに、流れに任せる…なんてね。
コロナ禍の私たちの日常に落とし込んでみても、同じような事はたくさんあります。
人間の在り方は…17世期から変わってない(笑)
この戯曲で、個人的に興味深いなと思うエッセンスは…『狂気』の描かれ方。
周囲を欺く為に気狂いを演じるハムレット。それは知らないフリや見てないフリと同質のもの。
演技ではなく、狂乱したオフィーリア。
その対比を目にして、頭に浮かんだトピック。
果たして、どちらが『正気ではない』のか…
歪んだ状況を受け入れている。
『理性的に』自分を殺している。
それって正気って言えるんでしょうか?
オフィーリアのように潔癖の末の自壊こそが『正常』でいようとした結果なのだとしたら…?
常識やモラルという見えない箍の存在。
正常や正気の位置を考えるとすると…
『正義と悪』みたいな禅問答が始まりませんか?
狂ってるのは私か?
それとも世界か…
だなんて…
個人的に答えは出てるんですが。
私は私としてしかこの世界を認識できない。
どちらが狂ってても…同じこと(爆)
それじゃあ不都合がすぎるから…
惨憺たるこの現状を『正常』にしよう。
避けることができないものは、抱き締めてしまわなければならない…なんて事も言ったかな、あの皮肉屋さんは(笑)
コロナって劇薬が投下された現在。
新しい淘汰が始まって、変革の兆しが見えてきて…
だけど、感じることはありませんか?
以前の状態に戻ろうとする…
不可視で強大な力を。
誰かの我慢で成り立つ『平常』である限り…
私たちは気狂いから覚める事はできないのかも。
狂ったフリをして押し付けて…
身に覚えはありませんか?
ひとつも無いとは…
誰も言えないんじゃない?(笑)
だとしたらハムレットは悲劇じゃなくて…
滑稽な喜劇って評してもいいのかもね。
副題は『おバカの王国』とか(笑)