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ハムレットのan0nym0usのネタバレレビュー・内容・結末

ハムレット(1990年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

あまり主張も強くなく、控えめな演出。
入門やおさらいとして観るには充分かと…

シェイクスピア作品の節々に姿を見せるシニカルさってのは…思索の種には持ってこいな題材ばかりですよね(笑)

悲劇の戯曲の中で最も長いだとか、演出や切り取り方がどうだとか、蘊蓄や真面目なレビューは諸先輩方にお任せします(爆)

なので今回もan0nym0usお得意の…
煙に巻くレビュー(笑)


To be, or not to be…
言わずと知れた名言のひとつ。

それは時に『優柔不断』だとも評されるけれど…
決断を先延ばしにする姿勢の表現とも思える。

大事な決断をせずに、流れに任せる…なんてね。
コロナ禍の私たちの日常に落とし込んでみても、同じような事はたくさんあります。

人間の在り方は…17世期から変わってない(笑)


この戯曲で、個人的に興味深いなと思うエッセンスは…『狂気』の描かれ方。

周囲を欺く為に気狂いを演じるハムレット。それは知らないフリや見てないフリと同質のもの。

演技ではなく、狂乱したオフィーリア。

その対比を目にして、頭に浮かんだトピック。

果たして、どちらが『正気ではない』のか…

歪んだ状況を受け入れている。
『理性的に』自分を殺している。
それって正気って言えるんでしょうか?

オフィーリアのように潔癖の末の自壊こそが『正常』でいようとした結果なのだとしたら…?

常識やモラルという見えない箍の存在。
正常や正気の位置を考えるとすると…
『正義と悪』みたいな禅問答が始まりませんか?

狂ってるのは私か?
それとも世界か…


だなんて…
個人的に答えは出てるんですが。

私は私としてしかこの世界を認識できない。
どちらが狂ってても…同じこと(爆)

それじゃあ不都合がすぎるから…

惨憺たるこの現状を『正常』にしよう。

避けることができないものは、抱き締めてしまわなければならない…なんて事も言ったかな、あの皮肉屋さんは(笑)


コロナって劇薬が投下された現在。
新しい淘汰が始まって、変革の兆しが見えてきて…

だけど、感じることはありませんか?
以前の状態に戻ろうとする…
不可視で強大な力を。

誰かの我慢で成り立つ『平常』である限り…
私たちは気狂いから覚める事はできないのかも。

狂ったフリをして押し付けて…
身に覚えはありませんか?

ひとつも無いとは…
誰も言えないんじゃない?(笑)

だとしたらハムレットは悲劇じゃなくて…
滑稽な喜劇って評してもいいのかもね。

副題は『おバカの王国』とか(笑)
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