ニクガタナ

あげまんのニクガタナのレビュー・感想・評価

あげまん(1990年製作の映画)
3.5
伊丹十三原案、脚本、監督。バブル期の大人の恋愛コメディ。伊丹作品は知られざる世界の一端を知れるものが多くて好き。本作は初見だと思ってたがどうやら再鑑賞。芸者の世界は覗いてみたいけれど、男に都合が良すぎな、女性を道具のように扱うこんな企画よく通ったもんである。時代が変わったなぁと痛感。津川雅彦演じる大銀行の支店長を筆頭に、同行の頭取(大滝秀治)、隻眼のフィクサー(島田正吾)、総理の椅子を狙う政治家(宝田明)と男どもがみなスケベ。今こんなパワフルな男達いるのかしら?今ならもれなく女性の反感買うこと請け合いだが、縦書き字幕で説明加える古めかしい演出もあり、時代劇だと思って観たらよろしいかと。エロい香りぷんぷんでも直接的なエロ表現は控えめで観やすい。え?そんな単純なオチ?って感じの終いだが、テンポ良く展開して引き込まれ割と楽しめた。撮影時44歳の宮本信子が18歳から演じた主人公が心の綺麗な優しく聡明で逞しい女性で、彼女の成長譚としても楽しめる。
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