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ヒストリーボーイズのchisatoのレビュー・感想・評価

ヒストリーボーイズ(2006年製作の映画)
4.3
言うならば、イギリス版「いまを生きる」。
オックスブリッジを目指すグラマースクールの男の子たちを教える二人の正反対の教師。詩や文学を学ばせるヘクターとオックスブリッジに受かる方法を徹底的に教えるアーウィンは正反対のタイプだけど、頭のきれる生徒たちはみんなそれぞれ二人のいいところを受け入れてて微笑ましい。
ユダヤ人、黒人、ムスリムと、キャラクターが人種的に豊富なところと、同性愛を堂々と描くところかイギリスらしい。とくに生徒の一人のデイキンは自信家で、自分に片思いしている同級生のことも煙たがらずに恋の歌を歌われても平気そうだし、アーウィンの賢さに「彼とならやれる」と言って実際に口説くほどのフレキシブルさがある。skinsのトニーに似てる。他の生徒たちもヘクターのセクハラもなんのそのと言った感じで、感覚を少し疑うんだけど、Full Montyと同じシェフィールドが舞台と知ると少し納得な気がする。鉄鋼業が衰退し始め、時代はサッチャリズム。彼らが衰退の街で自分たちのインテリジェンスに見合うスリルを求めるような性格なのもわかる。
オックスフォード受験の際の景色はさすがに綺麗。セリフや説明が多いが、舞台の映画化だからだろう。
イギリスのコメディや学生ドラマが好きならみてほしい。
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