佐藤克巳

兄いもうとの佐藤克巳のレビュー・感想・評価

兄いもうと(1936年製作の映画)
4.5
ミュージカル喜劇の傑作「ほろよい人生」で異彩を放った木村荘十二監督が、地元で石材職人の兄丸山定夫と東京から帰郷して死産する憂き目にあった妹竹久千恵子の相剋の喧嘩を描きながら、真に潜む兄妹愛を浮き彫りにした稀に見る人情劇の傑作とした。荒々しい気性の川人足父小杉義男の血を受け継いだ兄と長女。一方、人柄の良い周りからも慕われる母英百合子と次女堀越節子の対比も鮮やかで、収まるところに収まる雰囲気を残し清々しいラストだった。
佐藤克巳

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