らんらん

兄いもうとのらんらんのレビュー・感想・評価

兄いもうと(1936年製作の映画)
4.5
室生犀星原作、これまで3度映画化されているらしく(多数ドラマ化もしてるみたい)、1953年に成瀬巳喜男が撮った作品は見たことある

【あらすじ】
妹が身篭って実家に帰ってる、相手の男はやり逃げ失踪
そんな妹に兄は罵倒の限りを尽くしいじめぬく
かつては仲のいい兄妹であったのだが今は見る影もない

時は流れ、妹の身篭った子は死産、傷物となった妹は体を売って暮らしている
そんな時相手の男が謝罪のため両親の家を訪れる、、、

【感想】
そもそものお話、1953年版は京マチ子が見たくての鑑賞で、監督が成瀬巳喜男なんてのはついで
当時の感想とか見てもそんなに評価は高くない

で、本作にしてもあの「あにいもうと」ってリメイクだったの?と初めて知ってなんとなく見ただけ

なんですが、やばかった
めちゃくちゃ響いてきてウルウルと、、、こんないいお話だとは1953年版では気づかなかった
こちらが説明しすぎなのか、1953年版を見て気づかなかった自分が鈍かったのか、そんなことを考えちゃった
リメイク版の三井弘次を見て何てクズな兄貴だとか思ってた自分が恥ずかしい

それにしても本作を見る前まではたいした印象のなかったリメイク版も本作を見ていくにつれて数々のシーンを思い出す
けだるげに横たわる京マチ子、ただならぬ渋さの山本礼三郎
京マチ子と三井弘次のとっくみあいにオロオロする浦辺粂子と久我美子
なんか改めて見返したくなっちゃった

というとで大して期待もなくなんとなく見た映画なんですが久しぶりに心を打つ映画となりました
ちなみに本作の出演者の中では小杉義男しか見覚えがない
戦後の東宝の脇役で怖い顔してるおっさんのイメージしかない俳優さん、こんな昔から風貌が全く変わってなくて凄い迫力でした
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