お話探し

非情の標的のお話探しのレビュー・感想・評価

非情の標的(1972年製作の映画)
3.5
チャラい二枚目囚人と、堅物愛妻看守。止むを得ぬ事情で刑務所から脱獄させ、行動を共にするうちに奇妙な絆が芽生え…

大まかなあらすじ・キャラクターの取り合わせは大変好みのラインでした。序盤、堅物看守が事件に巻き込まれるまでの、言わば「紹介」のパートがちょっと短すぎて、感情移入しきれないまま始まってしまった感は多少ありましたが、徐々に不安・プレッシャーが溜まっていった後半の様子は迫るものがありました。

悪役の設定も非常に普遍的な不気味さ・恐ろしさを孕んだもので、こういうものが「友情の可能性」「人間性」を押し潰してしまう展開には、中国映画の「鬼が来た!」を少し連想しました。

終盤の“政治的”主張が、内容自体は頷けるものの、ドラマを差し置いてやや前面に出過ぎた印象がなくもない…ですが、「拒んだ握手」からラストカットまでの流れは見事でした。
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