シンタロー

疑惑のシンタローのレビュー・感想・評価

疑惑(1982年製作の映画)
3.8
2週間程入院してしまい、苫小牧の実家で休養することとなり、祖父と母のコレクションからチョイス。二人共もう亡くなりましたが、映画好きの血は受け継いだのかなと思ってます。
野村芳太郎×松本清張の名コンビによる法廷サスペンス。深夜の埠頭、海にダイブする車。乗っていた富山の富豪、白河福太郎は溺死。同乗していた後妻のクマ子は助かった。警察はクマ子を保険金殺人容疑で逮捕。前科アリのクマ子を、マスコミはそのエキセントリックなキャラクターと共に面白おかしく書き立てる。なかなか弁護士が決まらない中、国選弁護人、佐原律子が弁護を引き受けるが、果たして事件の真相は…。
自分は女優さんの演技バトルは大好物なのですが、本作の桃井かおり×岩下志麻は素晴らしい。正反対のキャラクターを際立たせるのが、二人のルックスと芝居へのアプローチ…すべて真逆ですものね。桃井の葬儀での嘔気演技最高。鹿賀丈史との掛け合いも痛快。憎々しくふてぶてしいのに、どこか憎みきれない感じはなぜ?ホント不思議。志麻姐さんは相変わらず凛として美しいけど、こんな高飛車で上から目線の女やだなー、コレは男逃げるよなー。法廷で山田五十鈴にやり込められるシーン、まさにその通りって感じでお見事。若き日の柄本明や小林稔侍、今は亡き丹波哲郎、北林谷栄、名古屋章等々、豪華キャストも見所ですね。
どこか火サスや土ワイみたいなチープさも漂うのは時代のせい?ロケーション?まぁそれも味わい深さになってます。何度もドラマ化されてますからね。それだけ良く出来た脚本ということなんでしょう。でも、桃井×岩下をこの先越えるのは難しいと、心底思えるお二人の名演でした。
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