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イゴールの約束のyumaのレビュー・感想・評価

イゴールの約束(1996年製作の映画)
4.2
ダルデンヌはドキュメンタリー出身というこもあってか、常に社会問題を取り上げる。だが、描くのは政府や大企業ではなく常に主人公とその家族である。今作は父と子、子と母をある種のテーマにしている。オシャレさは皆無。BGMなし。グロデスクな表現もない。しかしながら、手持ち撮影の長回しの中で繰り広げられる直接的間接的暴力に我々の心は酷く抉られるのだ。ワンカットの長さに反し、シーン自体は無駄なものが全くないということもあるだろう。そしてラストが圧巻でありそれは本当に息を飲み呼吸を忘れる程であった。
蛇足になるが、タイトルをLa promesseとするとイゴールの行動原理が約束を守る為だけになってしまい、イゴールのアシタへの母親の投影という監督が表現したかった1つのテーマが鑑賞者に薄く感じ取られてしまうが如何なものか。
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