怒髪猫なんじゃった

阿弥陀堂だよりの怒髪猫なんじゃったのレビュー・感想・評価

阿弥陀堂だより(2002年製作の映画)
3.9
原作は医師であり作家の南木佳士の同名小説です。
監督は黒澤明、市川崑の下に居た小泉堯史です・・だから映像が自然で美しいです。


パニック障害の心の病を患った女医と、売れない作家の夫婦が夫の生まれ故郷で、心を癒し生活を取り戻すストーリーです。

起承転結・・特別な事は何も起こらず淡々と1年が経過する春夏秋冬の村の生活が流れていく🎬です。


その中でもいくつかの心を打つ台詞があります。

「自分の価値、有る無し、そんな事はどうでも良い、自ら求めた志を悔いの無いよう歩むこと」

「今を良く生きることが、死ぬことだ」

「雪が降ると山と郷の境が無くなり白一色になります。山の奥にあるご先祖様の、あの世と郷のこの世の境が無くなり、どちらがどちらなのか解らなくなるのが冬です。」


四季折々の風景の中で、それぞれの夫婦の有り様、人の一生を描いた秀作だと思います。

以前に鑑賞した様な気がするのですが、記憶にありません・・若い頃鑑賞したから心に響く事が無かったのかもしれません。
歳を取り、再び鑑賞して見ると違った想いで見る事があるような気がします。