炭酸煎餅

レニングラード・カウボーイズ、モーゼに会うの炭酸煎餅のレビュー・感想・評価

3.2
「レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ」の、あるの!?と知って驚く続編。私は前作の方はどこかで観ていてだいぶ前から知っていたんですが、本作は存在自体知りませんでした……。

前作で故郷シベリアからアメリカに渡ってメキシコを目指す珍道中が描かれたレニングラード・カウボーイズですが、そんな彼らが今度は故郷シベリアを目指してメキシコから帰る、というのが今作の内容。
「面白かった所」の感想を書こうと思ったら前作の感想のコピペでいいんじゃないかなと思うくらいには良くも悪くも同工異曲なんですが、「聖書」と「共産党宣言」の読み合いによる宗教バトル?の間で漫然とアイスを食べていたメンバーが「くだらねえ」と言い捨てて立ち上がるシーンとか、バンドに対して相変わらず暴君的に君臨しながらモーセを自称するマネージャーが何故か水の上を歩いたりセルフで「燃える柴」を再現するシーンがあったり、宗教ネタ・風刺要素が多く盛り込まれてよりシュールな雰囲気(というかボケがハイコンテクスト?)になっていたのは新しい趣向だったかなという感じがします。
(前作はソ連崩壊前で今作は崩壊後、という時勢が何か影響しているのかな?という気もするんですが、そもそもこれソ連/ロシア映画じゃなくてフィンランド映画ですし、その辺りの宗教や文化的に馴染みのない日本人から見ると意図が読み取れないだけという可能性も十分あるんですが)

正直、ちょっと最終シュールすぎてよく分からなくなっちゃう感じの映画ではありましたが、まあ前作が面白かったなら観ておいてもいい作品なんじゃないかなと思えました。
炭酸煎餅

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