マーくんパパ

ブルックリン横丁のマーくんパパのレビュー・感想・評価

ブルックリン横丁(1945年製作の映画)
3.7
ニューヨークの下町、稼ぎの悪い給仕係のジョニーとアパート階段掃除お手伝いで家計を凌ぐケイティの両親。2人の姉弟(フランシー&ニーリー)は鉄屑集めで家計の補助とお小遣いを得ている。貧しくとも明るい我が家だったが、近頃はママの気分が塞ぎがち。一向に改心の見られない夫の陽気な飲んだくれ生活、子供の今後の養育費の心配やママの妹は前の亭主と別れたばかりなのにもう次の男と再婚するというチャッカリ振りに情けなくなってくる。利発なフランシーはそれでも明るく振る舞うパパが大好き、陽気に唄いながら帰宅するパパを真っ先にドアを開けお出迎えするのが何よりの楽しみ。クリスマスにはモミの木買えないから売れ残った木を遅くまで待って手に入れて帰ってくる姉弟。フランシーはお隣の学区の程度のいい学校に編入したいと言い出しパパは学区内となるダミーの住居を嘘も方便と探し出し願いを叶えてあげる。第三子を身篭り今後の家計はより厳しくなるからとアパート最上階の安い部屋に越しフランシーの学業中退でやり繰りしようとするママ。パパも仕事替えて頑張ろうとしたが無理が祟って死んでしまう。うだつの上がらないパパだったが多くの人々に慕われていたことに気付くママ。この窮時を皆が助けてくれて無事2人の子供たちの卒業式を迎える。ママにもこの家族を見守った見廻り警察官からの再婚話が訪れてやっと明るい希望が見え出す。貧しいながらも善意の人たちと助け合いながら慎ましく暮らしてゆく下層階級の家庭を丹念に綴ってたホームドラマ、親思い、子思いのハートが通った映画は気持ちよく観られます。