mikoyan358

イノセントのmikoyan358のレビュー・感想・評価

イノセント(1975年製作の映画)
3.0
ルキノ・ヴィスコンティの遺作。貴族という御大層な御仁たちの正直どうでもいい(笑)自堕落な惚れた腫れた話、そしていくらオブラートに包んでもエゴ丸出しの生き様が綴られていて内容的には「どうぞご勝手に」という内容なのだが、でもヴィスコンティがこれだけ色彩豊かに、まるでお金持ちの骨とう品を次々と紹介されていくように(中身はともかく)美しさをまとった人物や世界観が登場するので、正直最後までこの話は高尚なのか下世話なのか全く判別つかぬままだった。もう自分が生まれた後の作品だけに、ヴィスコンティが描いてきた世の中がもうなくなってしまった事への決別が、最後のアレを象徴的なモチーフとして描かれているように思う。
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