michi

イノセントのmichiのレビュー・感想・評価

イノセント(1975年製作の映画)
-
なにが「イノセント」じゃ!と半ば怒りを感じながら貴族の泥沼不倫劇を楽しむ。不倫に関して理解し難い理屈を当然のような口調で妻に語り、奥さんに同情したのも束の間、結局はどっちも訳分かりません。愛したり憎んだり、側から見てる分には目が離せない。
しかし終盤胸糞悪すぎて…。どんな経緯があろうと、生まれてきた子どもは「イノセント」ですよね。承認欲求が満たされない幼稚でイカれた大人が身近にいたがために、可哀想でなりません。以後、ラストシーンまですっかり冷めた目でしか観られなかったです。
ついでにあの妾も殺人容疑でもかかればいいのに。

決して気分の良い話ではない話ではありません。でも、どこをとっても美しいのは相変わらず。
むしろあんな映像なければ観てられなかったかも…。ヴィスコンティ監督の遺作にして、評判はあまり良くないらしいが、いろいろな意味で現実離れした世界を覗き見れるので観て良かったと思います。
michi

michi