ねまる

恋愛寫眞 Collage of Our Lifeのねまるのレビュー・感想・評価

恋愛寫眞 Collage of Our Life(2003年製作の映画)
3.6
10代の松田龍平の
儚さと美しさと毒を堪能するために
2時間画面を観続けていたのかもしれない。

御法度も、青い春もそうだけど、
今の色気やオーラとはまた違って、
触れてはならない清潔な闇。
本当にこんな綺麗なものが存在したのかぁ。
三白眼な目と冬のNYとモッズコートがまた映えますこと。

誰の癖なのか、
よく殴られ、だいたい顔に傷作っていたり、
骨張った四肢を露にしていたり、
1番分からないのは、ほぼ英語台詞。
ストレンジャーザンパラダイスやバッファロー66の映画のポスターなど、名作映画やカルチャーについて出てきたのも嬉しい。
監督の癖といえば、
作品に流れているそのアートでラブストーリーな雰囲気に全く合わないVFXな演出とHOPな音楽とラストの展開。
種明かしに関しては何を見せられているのやらという引いてしまった感じ。

透明感たっぷりの里中静流という役柄は、広末涼子だなぁと。
前半の2人の恋愛模様の可愛いらしさ。
子供の風船を取ってあげるために、電柱に登るシーン。
風船を取るため必死で電柱を登っている間は気付かずに、登りきって見渡した瞬間、自分が高い場所に来ていたことを知る。
悶々としているようでも、ついてないと思っているときでも、我武者羅したあと、あたりを見回した時、上に登れているのかもね。
この電柱のシーンが好きだった。

そして私は我武者羅にこの映画を2時間観た結果、
最終的に"松田龍平、可愛い"が溢れました。ひとつひとつのリアクションの、表情の変化や、NYに来て変わっていく様子や、なんかバタバタしているところが、儚さと美しさと毒なんだけど、幼さがある。そう、誠人には幼さがあったんだ。
ねまる

ねまる