三宅邦雄

アパッチ砦の三宅邦雄のレビュー・感想・評価

アパッチ砦(1948年製作の映画)
3.8
馬が走って土埃が舞う。西部劇の神髄そのものではないか。もちろん先住民を人間らしく勇敢に描くところも評価すべきだろうが、なによりこの映画の美しさは土埃なのだ。散見されるロングショットはどれもアメリカの砂漠の雄大さとそこに生きる人々の力強さを巧みに描いている。「かっこいい」と誰しも言いたくなるような雰囲気を作りだすフォードの演出は、恐るべきものである。実に『マッドマックス 怒りのデスロード』などはこの映画そのままといえるし、あれだけ売れたのだからやはりフォードの魅力は普遍的なのだろう。
三宅邦雄

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