『エクソシスト3』
原題The Exorcist 3.
製作年1990年。上映時間110分。

ジョージタウンを舞台に次々と起こる猟奇殺人を捜査する刑事が遭遇する悪魔憑き現象を描くオカルト・サスペンスの第3作。

エグゼクティヴ・プロデューサーは『ヤングガン(1988)』シリーズのジェームズ・Ｇ・ロビンソンとジョー・ロスのコンビ、製作はカーター・デ・ヘブン、1作目の原作・脚本を執筆したウィリアム・ピーター・ブラッティが自らの原作『レギオン』を基に監督・脚本を担当。
撮影はゲリー・フィッシャー、音楽はバリー・デヴォーゾン。
出演はジョージ・Ｃ・スコット、エド・フランダースほか。

今作品は、『エクソシスト2：The Heretic』ちゅう中途半端な作品を差し置いても、コワイ作品かな(怖さの毛並みはちゃうけど)。
ウィリアム・ピーター・ブラッティ監督の『エクソシスト3』は、『エクソシスト』の続きから始まる。
主人公のカラス神父（ジェイソン・ミラー）がマクニール家の外の長い階段から落ち、幼いリーガン・マクニールの体に取り憑いていた悪魔を死なせてしまっう。
ちょうどその時、"ジーミニ・キラー "ジェームズ・ヴェナムン（ブラッド・ドゥーリフ）の有罪判決が下され、死刑が執行された。
悪魔はこの瞬間を狙って、死んだカラス神父の体にヴェナムンの魂を移し、同時にカラス神父を生き返らせたのである。
ジョージタウンの街を歩き回っていたカラス神父は、地元の精神病院に収容され、パッド入りの独房に拘束されて15年間を過ごした。
時が経つにつれ、カラス神父の精神状態は徐々に回復し、ヴェナムンが彼の身体を支配していることもあり、魂は精神病患者を使って血まみれの仕事をしていた。
精神的に弱っている患者の心を操り、病院内だけでなく近所にも出没して、"ジェミニ "と呼ばれる一連の殺人事件を引き起こしてる。。。
今作品は、夢のような超現実的なシーンが多く、時に混乱させられる。
最後の結末に向けて、"善 "と "悪 "の生々しい戦いの中で、最初の90分ほどで語っていたことが明確になり、悪魔は、死から蘇らせた無力なカラス神父を介して、『善』のために戦い死んでいった聖人の一人と『善』との戦いを繰り広げている。
ジョージ・C・スコットは、1973年にカラス神父を救うべきだったと感じていた、悩める金持ちを最高の演技で演じている。
最初、キンダーマンは、自分が直面しているのが悪魔であることをよく理解していなかった。
そして、映画の最後に、彼は悪魔を悲劇の神父から追い出しただけでなく、カラス神父の拷問された魂を永遠に安らかに眠らせることに成功した。
ブラッド・ドゥーリフとジェイソン・ミラーは、ジェミニ・キラーと呼ばれるジェームズ・ヴェナムンとカラス神父を演じ、スコットと同じようにカラス神父の体を占領していた。
ヴェナムンとカラス神父は、まるで巨人の綱引きのように、映画全体を通して対立していた。
悪魔が仕組んだジョージタウンの人々とカトリック教会への悪事は、ついに終焉を迎えた。

今作品は『エクソシスト』シリーズを温かく引き継いだ作品かと云えばそうじゃないかな。
前パート1、パート2(これはイマイチやった)がエクソシズム🥺嗚呼悪霊怖いコワイ系なら、こちら今作品は作中1/3は、横溝正史原作の映画金田一耕助シリーズの、あの人の怖がらせる表情や効果音などで、背筋がゾクリとするタイプの作品でした。
しかし、これがまた怖かった。
今作品は、ウィリアム・ピーター・ブラッティが、1983年に出版された小説『Legion』をもとに映画化したそうで、製作会社モーガン・クリーク・プロダクションは、脚本にも小説にもエクソシストが登場しないにもかかわらず、『エクソシスト3(The Exorcist III: Legion)』ちゅうタイトルを決定した。
撮影が完了した後、このタイトルが誤解を招くものであることが判明し(内容を見たら多くの方がそう思うのは当然)、プロデューサーは『エクソシスト』（1973年）の続編であることを認識してもらうために、追加のシーンを書いて映画に加える必要があると判断したそうです。
映画の最後の1/3は、モーニング神父という新しいキャラクターの挿入や、400万ドル近い費用をかけたエクソシズムのシーンなど、すべてやり直さなければならなかったそうです。
今作品を悪霊云々で見るとライトな感じはするが、サイコスリラーとして見たら個人的には秀作かと思います。

作品キンダーマンが云うセリフなどイカれ野郎か天才そのもので、演技も白熱して怖かったし、抜粋。

『私が信じているのは。。。
私は死を信じている。
私は病気を信じている。
私は不正と非人間性、拷問と怒りと憎しみを信じている。。。
私は殺人を信じている
私は痛みを信じている。
私は、残酷さと不倫を信じる。
スライムや悪臭、あらゆる這う腐ったものを信じている。。。
ありとあらゆる醜さと腐敗を信じているんだ、son of a bitch.
私は信じている。。。
あなたを。

見たで。
処刑された男の犯行に類似した猟奇殺人を追う刑事が直面する恐怖。これめっちゃ怖い！会話によって観客の想像力を煽り心に直接こびりつく恐怖。善と悪の境界線を越え殺人鬼を生むのも神なのだ。
ハサミを持って迫る幽霊の数秒間が心臓飛び出るかと思う程恐ろしかった。
黒沢清監督は本作を怖いホラー映画ベスト50の1本に加えられていて監督の作品を良く知ってる人にはあっ！ここ!って思うカットがちらほらある1本です。1の人間ドラマ的要素を取り入れて上手くホラーと噛み合わせる作りで2の内容に激怒して本作を自ら監督した原作者の本気を感じました。

今度の敵はレギオン（集合体）！
15年前に犯人が死刑となり幕を閉じた猟奇連続殺人事件。それを模倣したかのような事件が発生。オッチャン刑事がその謎を追う内にオカルトな真相へと近づいていくホラー。

原作者のウィリアムピーターブラッティが、『エクソシスト2』をコメディだと切り捨て、一作目の正式な続編として自分で監督しちゃったシリーズ3作目。ちなみに本作の原作もブラッティ。

あらすじ…
主人公は無神論者のオッチャン刑事。親友の神父と映画行ったりしてイチャイチャしてたけど、首を切断され左手に双子座のマークがつけられた子どもの死体が発見される。そして次々と同様の手口で殺人が発生。その手口は15年前に犯人の死刑で幕を閉じた双子座殺人事件と全く同じだった…。

『エクソシスト2』では全く名前が出てこなかったカラス神父のその後について語られる本作。シリーズを通して善と悪の対立について描かれており、本作でもその一貫したテーマを引き継ぎ、善と悪の表裏一体性をも扱った、まさに続編に相応しい作品でした。

善のみが存在することはない。善が存在するならば、あらゆる悪もまた存在する。その悪の存在を全て認めることで善が現れるという演出が善と悪の表裏一体性を強烈に印象付ける。レギオンという本作のサブタイトルからも見られるように、悪はひとつじゃない。あらゆる悪がレギオン（集合体）となり、善なる人間を取り込もうと常にチャンス窺っている。

本作で狙われるのは子どもと神父であり、まさに善を象徴する者たち。それはまるで神の不在を知らしめんとするような意図すら感じ取れる。また今回の主人公は無神論者。犠牲になるものたちを含め、神が居るはずであれば起こりえない悲劇が続発する現実を見せつけることでも神という絶対的な善の不在を作品全体から漂わせる。そしてそれのアンサーとして、善と悪の表裏一体性を通じ、悪の存在から逆説的に善の存在を導き出す。

そして面白いのは、本作の本筋はサイコサスペンスだということ。90年というオカルトホラーが過去のものとなった時代において、『羊たちの沈黙』や『セブン』等サイコホラーが以降のホラー界を牽引することを予見したかのようなタイミングで本作は公開される。本作はガッツリしたオカルトホラーでありながらサイコホラーでもあるわけで、まさにホラーにおけるブームの橋渡し役のようになっているのが面白い。

全体的に語り口が辿々しいというか、スマートさに欠けるように思いますが、それ以上に魅力的でキレッキレなシーンもあり、ブラッティの監督としての実力が窺えます。特に、皆さん挙げている遠景での長回し後のショックシーン。80年代スラッシャーのような雰囲気も感じさせるナイスな演出です。

ただ、誰の身にも等しく訪れるという、すぐ隣に存在する悪を描くのが一作目からの共通テーマのように思うので、分裂症に取り入りやすいという設定は私的には不要なように思いました。それといくら原作者といえども、一作目好きとしてはカラス神父の扱いがやはり納得いかない。それでも良い作品だと思います。『エクソシスト』も今のところあと二作あるので、完走目指します^_^

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