ブルーノ

椿三十郎のブルーノのネタバレレビュー・内容・結末

椿三十郎(1962年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

 脚本がまず面白いのだが、カメラワークや殺陣のアクション、庭の椿や小川等の舞台装置など、とにかく映画としての総合値が大変高い作品。椿三十郎が大勢の家来を斬り倒す場面や、大量の椿の花が川を流れる場面など、印象に残るシーンも多数あった。特に、椿と室戸による一騎打ちのラストシーンは、アイコニックな大量の血しぶきにもまして、大胆な間による凄まじい緊張感に心を奪われた。

 個人的には、それまでのトーンを一変させる城代家老・睦田の妻と娘の存在が衝撃的で、二人が脱出後に干し草に横たわるシーンには固まってしまった。また、小林桂樹が押し入れを出たり入ったりする度に、大声を出して笑ってしまった。

 最後に、椿三十郎や室戸のような、真の意味では誰にも仕えない自由でいい加減な人間が、良し悪しは置いといてこの世界にもう少し増えたらなと思ったりした。
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