まいしほ

椿三十郎のまいしほのネタバレレビュー・内容・結末

椿三十郎(1962年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

かっけ〜。椿三十郎の全てがかっこいい。ものすごく頭が切れる人だし、刀の扱いも超一流。なのに、偉ぶってなくて、奥方が塀を登りやすいように率先して踏み台になったりするところが最高。それに、最初と最後で2回言う「あばよ」ってセリフもいい。「本当にいい刀は鞘に入ってる」っていうセリフも印象に残ったな。
捕らえられた男が襖からちょこちょこ出てきて、用が済んだら即座にまた襖の中に戻るのは面白かった。
ラストの決闘シーンもすごく良かった。お互いになかなか動かなくて、観てる我々の緊張感がどんどん高まってくる中、相手がほんのちょっと動いたと思ったら、椿三十郎はもうそいつを切ってる。血の吹き出し方もアイコニックなんだよな。あと、普通に観てるときは気がついてなかったけど、決闘前に会話してる場面では小鳥のさえずりの音が入ってるんだけど、決闘が始まるといつの間にか無音になってるんだよね。こういう映画の手法が大好き。
ワイドスクリーンって1950,60年代に流行ったイメージだけど、映画によっては左右が無駄に空いちゃっててワイドスクリーンの意味ないじゃんって思うようなのもあるけど、これは画面サイズがちゃんと活かされてた。椿三十郎と9人の侍たちを収めるのにちょうどいい感じなんだよね。
やっぱり、黒澤明はすごい!って毎回新たに彼の作品を観るたびに思ってる気がする。
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