サド和尚

ユニバーサル・ソルジャー:リジェネレーションのサド和尚のレビュー・感想・評価

3.7
軍からも戦場からも離れた男、リュック・デュブロー。今は担当医の保護の元、長いリハビリを続けていた。彼はヴェトナム戦争の時に既に死んだ身だったが、軍の極秘実験により死後25年後に「ユニバーサル・ソルジャー」として蘇らせられた人間だ。それも昔の話、医者付きではあるが、今は人並みの生活を取り戻そうと市井での生活を送っていた。
新たに何かを学んでも翌日には忘れてしまうような有様ではあったが、少しは穏やかな生活を送れていた。しかし所詮は再生兵士、戦闘のために調整されたアンデッドである。時折制御不能にフラッシュバックする戦いの記憶が、備えられた機能が、日常を、文字通り暴力的に粉砕してしまうばかりであった。
そして、軍が、次世代のユニバーサル・ソルジャーが、そして因縁深きあの宿敵の影が、何よりも自身に残された戦闘機械としての機能が、デュブローを再び戦場へと呼びもどそうとしていた。

いつの間にか「ユニソル」という乱暴な略称が馴染み出した『ユニバーサルソルジャー』の続編ではありますが、後日談とでも言った方が良いかもしれない物語。
上記の粗筋は、ヴァン・ダムさん演じる再生兵士デュブロー寄りで見た時の具合。実際のお話は、実際には、ロシア首相のご子息の誘拐事件から始まります。
前作から大きくパワーアップ!どころか、自身はむしろいろいろと衰えている上に、同世代ユニソルは敵方のユニソルにより全滅、依然敵はコンディション万全で機能も完全に格上という状態。さあ、どうする!

折角のドルフ・ラングレンさんが活かしきれていないし、ヴァン・ダムさんの出番もかなり控え目で、彼が目当てで見ると大分モヤつく事は間違いありません。次世代くんが活躍し過ぎです。あと、マウントパンチ好き過ぎです。
しかし、決着を付けたその後のあの男の背中が何とも忘れられません。
原点である『ユニバーサルソルジャー』は勿論の事、哀愁の詩『その男 ヴァン・ダム』を観た上で鑑賞される事をお勧めしたいです。観ておかないと、この作品の持つ意味は推し量れないかもしれません。
サド和尚

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