TAK44マグナム

ユニバーサル・ソルジャー:リジェネレーションのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

4.0
年末はヴァン・ダム!


いよいよ2019年もおしまい。
つまり令和元年もおわりってわけで、個人的にも日本国家としても2020年は何やら激動の一年になりそうな気配です。
そんなわけで、恒例?の年末はジャン=クロード・ヴァン・ダム作品で締め!

ヴァン・ダムとは「サドンデス」等で組んだことのあるピーター・ハイアムズ監督の息子であるジョン・ハイアムズが監督した「ユニバーサル・ソルジャー」シリーズ第3作、「ユニバーサル・ソルジャー:リジェネレーション」!
でも、前作の「ユニバーサル・ソルジャー:ザ・リターン」が正史から外されてしまったので本作が正式な一作目の続編ということになります。

いや、これ何気に傑作じゃないですか!
何故、酷評が多いのか正直分かりません。
ハードでとても格好いい男の映画なのに。
さすが、ヴァン・ダムファンのブロガーとして有名な三角絞めさんが宇多丸師匠のラジオでヴァン・ダム作品ベスト5に挙げていただけはありますよ。
マジで完成度の高いバトルアクションでした。
ビデオ映画なのに予算があったのか、戦闘シーン等がショボく感じないし、格闘家出身のキャストが肉弾戦を繰り広げるので、そっち方面が好きな方にも安心してオススメできますね。


ロシアからの独立をうたう反乱組織がチェルノブイリの原子炉をジャックした。
大統領の子供たちも誘拐され、72時間後には原子炉が爆破されてしまう。
この危機に対し、一度死んだ兵士を復活・強化させたユニバーサルソルジャーも投入された奪回作戦が敢行させるが、反乱組織には第二世代の完璧なるユニバーサルソルジャー「NGU」がいた。
たった一人のNGUの為に部隊は全滅し、もはや打つ手なしと思われたが、第一世代で最強の戦士だったリュック・デュブローに白羽の矢がたてられる。
しかし、リュックは社会復帰を目的としたセラピーを受けていたのだった・・・


話は単純なのに少し散漫になってしまっているのは、活躍するキャラクターがリュック以外に多いので途中まで焦点が定まらないからなんでしょうね。
それ以外は本当に完成度が高い。
ユニソルの悲哀も感じられるし、殆どホラーに近い前半もハラハラ出来て観ていて楽しい。
そしてリュック覚醒後の「コマンドー」のシュワちゃんばりなヴァン・ダム無双に心躍らなかったら人としてどうかと思いますよ!(←言いすぎ)
ファンサービスなのか、一作目の敵だったドルフ・ラングレン演じるスコットも再登場。
その死に様が最高なので是非観て欲しいですね!
重量感のあるパンチやキックもまだまだキビキビしていた頃なので最高じゃないですか。

まず冒頭の襲撃シーンからして凄い。
臨場感もあって、まるでFPSゲームをプレイしているみたい。
ここだけで、ジョン・ハイアムズ、只者じゃないって思いますよ。
敵も味方も格闘家さんばかりなので、何故かいちいちタイマン張ります(苦笑)
一人一人片付けられてゆく第一世代のユニソルたちが哀しい。というか弱い!
それだけに、敵のNGUやスコット、そしてリュックの強さが際立ちます。

唯一の難点は物語上仕方ないのですが、主役であるヴァン・ダムの活躍が残り20分ぐらいからなんですよね(汗)
登場自体遅いのですけれど、中盤まではたんなる危ない人になっちゃってまして、突然人をぶん殴りだすぐらいしか動きません。
あとは薬打たれたり、セラピーを受けてるだけ(汗)
でも、ようやく戦闘開始のゴングが鳴ると俺様の出番!とばかりに真正面から敵基地へカチコミかけますよ!
何の作戦もへったくれもなし!
とにかく撃って撃って撃ちまくり、弾がなくなればナイフで瞬殺!
多少の被弾もユニソルだから問題ないし、鬼気迫るヴァン・ダムに勝てるヤツなど地球上に存在しない!ぐらいの迫力で押しまくります!
対ラングレン戦もそうですが、対アンドレイ・アルロフスキー戦の決着の付け方も最高じゃないですか!
全てが終わったあと、去ってゆくヴァン・ダムの悲哀のこもった背中に泣けましたよ(涙)

硬質で大真面目な演出が好印象で、緊張感を高める音楽も良かった。
ちょっとした仕草まで気を使ったヴァン・ダムやドルフ・ラングレンの演技も熟していましたね。
というか、普通にヴァン・ダムって器用に役をこなしますよね。
本作は戦闘マシーンに徹していて、目つきの変化とか細かくて上手(出番が少ないってのもあるかもしれませんが・・・)。
必要以上に距離を縮めない女医との関係も大人な雰囲気でした。


そんなわけで戦闘ばかりの映画ではありますが、これは拾い物。
ヴァン・ダム成分が少し足りないのは残念ですけれど、そのぶん濃密。
これからじっくりとヴァン・ダムを知ってゆきたい!という方にもオススメです!


それでは、これが2019年度の最後のレビューになります。
一年間、お付き合いありがとうございました!
また2020年も宜しくお願い致します!


〜オマケ〜
2019年度新作映画ベスト10

①アップグレード
②ポーラー狙われた暗殺者
③ゾンビランド:ダブルタップ
④スパイダーマン:スパイダーバース
⑤ハッピーデスデイ2U
⑥ジョーカー
⑦シティーハンターTHE MOVIE
 史上最香のミッション
⑧ワンス・アポン・ア・タイム
 イン・ハリウッド
⑨アクアマン
⑩ゴジラ
 キング・オブ・ザ・モンスターズ
次点 ゼット・ブル


セル・ブルーレイにて