「絶対に押すなよ！」と言いながら自ら危険なシチュエーションに向かって進む上島竜兵的ホラーの代表作。
かなり大人向けの移動遊園地に建つお化け屋敷に勇気を出して？ワザワザ一晩泊まろうとする二組のカップルに襲いかかる恐怖の一夜。
竜ちゃんが熱湯に落っこちて「殺す気かぁ！」と叫ぶが如く、予定通りにカップルが次々に血祭りに挙げられて行きます。
「親の因果が子に報い、さあ可哀想なのがこの子でござい...」
今では完全にコンプライアンスに引っ掛かるであろう口上が日本の昔の見世物小屋にはありましたが、正にそんな文句がお似合いの本作のお化け屋敷のある移動遊園地。
この遊園地が営業終了し閉園になる時に少しずつ電気が消え人が去って寂しくなって行くシーンがいいですね。これから夜が深くなっていよいよそれが始まるという雰囲気作りがとても良い。
また戦い終えて屋敷から出て来た時の遊園地が「さあこれからまた一日働くか」と何事も無かったかのようにお化け屋敷以外の従業員達が動き始めている曇った早朝の風景で終わるのもいいですね。
フーパーはせっかく自らホラー映画の金字塔『悪魔のいけにえ』(1974)を打ち建てているのに、『ハロウィン』(1978)や『サイコ』(1960)のパクリシーンをやってしまっています。自分自身に自信が無いのでしょうか？
