なんて哀しく、素晴らしい傑作なのだろうか。俺は涙した。
小さな子供である弟目線で「お化け屋敷に入っていった姉が戻ってこない」シーンを描いたのは見事。子供の時の、遊園地に対して何となく抱いていた不気味感を思い出させてくれる。あの弟はあの後ペドフィリアっぽさのあるサーカス団長に捕まってから一言も喋らなくなってしまったが、一体何をされたのだろうか。恐ろしい。
若者たちが死ぬと、その死体がお化け屋敷のカートに乗せられてゴトゴトやってくるのがとても良いな、死んだからにはどうしようもないって感じが。
フリーク息子が占い師のおばちゃんに売春を持ちかけるも、散々ふっかけられた挙句に手コキで果ててしまって本番行為に及べない場面、あれは涙なしには観られない哀しい場面だった。
あの親子の死に様も胸にくるものがあったな、もう止められないどうしようもない状況になりながらも、最期の瞬間まで若者を道連れにしてやろうと足掻くその生き様は、俺の心に深く刻まれた。