カラン

ポネットのカランのレビュー・感想・評価

ポネット(1996年製作の映画)
4.5
お母さんが事故で死んだ時、4歳のポネットを車に乗せていた。お父さんはお母さんが馬鹿だと怒っている。お母さんと話したい。


ヴェネツィアで主演女優賞を5歳でヴィクトワール・ティヴィソルが受賞したのは史上初のことであるらしい。
 

☆垣間見ショット

冒頭、病室でお父さんがポネットに話しかける。ポネットは左腕に石膏の白いギプスをつけている。枕とギプスに挟まれた細長い領域でポネットは親指に吸い付いている。

次のシーンで父の車に乗る。助手席に座ったポネットは、走行中の運転席からは、シートの端から少し頬と小さい鼻と丸い唇が見える。

上はどちらも1秒に満たないショットで、ポネットの身体の一部を垣間見るようなショットになっている。以降、映画は近接したところで幼児たちを撮影し続け、垣間見のショットはない。


☆ゴースト

誰でも分かるので、書かない。この素晴らしさは、見たままである。素晴らしいと感じないならば視聴環境に問題がある。ゴーストが出現する前に、ポネットは指でフレームを決める。これはビューファインダーである。


☆ラスト

枝垂れる枯れ木が色をなくし、半透明の白色から、純然たる白を背景にクレジットが流れる。雨が最上だろうが、母の喪失に下方向に流れるイメージは絶対に必要であり、ドワイヨンはそこをよく分かっている。


レンタルDVD。55円宅配GEO、20分の2。
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