ツクヨミ

ポネットのツクヨミのレビュー・感想・評価

ポネット(1996年製作の映画)
1.7
あくまでもキリスト教の考えを念頭に置いた喪失と回復系少女もの。
DVDジャケットのインパクトでずーっと気になっていた本作を見てみた。
いやーなんつっても見た目というかジャケの物憂げな少女顔面ビジュアルが個人的にどストライク、"ミツバチのささやき"を筆頭に少女映画が大好きなもんで。
まずオープニング、初っ端から腕を怪我して包帯を巻かれ指を噛みかみする幼女からスタート。お父さんとの会話から事故によって母親を亡くしてしまったことがすぐにわかり、あまりリアリティが無い感じで"ママがいなくてもやっていけるか?"と言われ泣く泣く"できる"と言うポネットちゃん、本当にやっかいけるのかー?な感じにうやむや始まり。
まぁ本作を少女映画としてけっこうしっかり少女目線が先行してるのが良い、いつのまにか親戚の家に預けられいつのまにか寄宿学校に入れられるという大人が勝手に決めちゃう道筋。そんな中で母親が死んでいるとわかっていながら必ず生き返ってくると信じてやまないポネットの現実逃避待ちがメインになっていく、帰ってくるわけないといろんな人に言われるが彼女は頑なに母親を待ち続ける姿がまた健気なんだな。そんな待ちの姿がけっこう"キリストの復活"を主軸にしたキリスト教観念がわりかしカットインされるのも今作の肝になってるのがちょっと特殊か。
だが喪失と回復の物語にしてはいかんせん悩ましいウジウジが長すぎて全然進まない、なかなか受け入れることはできないのはわかるがあまりにも掴みどころが見つからないのはけっこうキツイかと。あと回復の過程もわりかし唐突な幻想で締められるのも?、なんか実感が全くわかない感じが強かった。やっぱ少女の喪失と回復ものの中でも"秘密の森のその向こう"ってめちゃくちゃ上手くいってたんだなとつくづく感じた次第。
ツクヨミ

ツクヨミ