けーはち

ポネットのけーはちのレビュー・感想・評価

ポネット(1996年製作の映画)
3.3
母親の死を受容できない4歳の女の子ポネットの成長ドラマ。大人の存在が希薄で良くも悪くも自由勝手で飾らない子供達の視点が中心。みな演技巧者で、「ほらほら〜、子供が可哀想だろぉ〜」と言わんばかりの作為を感じないのは良い(父親が不在過ぎるのもどうかと思うが)。彼女は字義通り死の概念を受容したというよりは、思い出の中では母親に会える(現実では会えない)がその空想もしばらくはしないといったファンタジー込みで自分なりに折り合いをつけた。その礎になるのは、死を思って嫌々生きるのでなく生を楽しむという前向きさ。その実践例として男の子とキスしたり上半身裸でベタベタしたりするシーンがあるのだが、「性的に意図のないまま偶然こういうシチュエーションになった」無知シチュという奴でこの点については作為がアリアリ。生の喜びとして言いたいことは察しはするものの現代でこれを子役にやらせるとmetoo的な非難を免れないのではないかな😅