ピエル・パオロ・パゾリーニ脚本、マウロ・ボロニーニ監督作品。
なんてクールなFINE!
そして、オープニングときっちり繋がってるじゃないか!
ネオレアリズモの延長線上にあって、戦後退廃が漂う時代背景。ローマの下層階級の若者たちが無軌道のうちに過ごす一夜を描く。
ストーリーは次から次へとリレー形式で繋がり登場人物もリレーされていく。
… とは言え明確なオチなんて用意されていない。
そんな中、贅沢過ぎるくらい登場する豪華女優陣の美しさやファッションにはワクワクした。勿論、盗んだお金の行方にはハラハラも。
隙あらば仲間さえ出し抜いて自分だけまんまと上手いことやってやる!
そんな食わせ者たちが裏切り騙し合いながらもつるみ続け、這い上がる事すら諦めたかの姿には希望の欠けらも無い。
その場しのぎの贅沢とか満足感の為だけ。まるでこの先もずっとこの生活が続くかのようで、決して深追いしないドライなラストが殊更 虚しかった。
撮影も素晴らしかった。モノクロ映像も美しいうえ、もの哀しいジャズが絶妙にフィットしている。
どうしようもなく苦みを伴う余韻がまたいい。