ni

テルマ&ルイーズのniのレビュー・感想・評価

テルマ&ルイーズ(1991年製作の映画)
5.0
大好きな映画の一つになりました。 映画が終わったと思ったあとに出てくる写真が最高だったし、あれは反則、ずるい、、(ネタバレになるから詳細は伏せます)

制作当時である90年代前半にしてはおそらく珍しいフェミニズム映画なのではないでしょうか。(この作品と羊たちの沈黙ぐらいしか今ぱっと思い浮かばない)
日常、すなわち男性優位社会から抜け出したことによって、2人がどんどん輝いていく。ただ抜け出すだけでなくて、犯罪まで犯しているのに2人の輝きが増していくのが痛快だし、2人はどんどん絆を強めていくのが良すぎる、、そんなに短い映画ではないので、一気に観る予定はなかったのに、展開から目を離せなくて一気に観てしまった。そのくらい面白かった。ブラピの役、本当にクズだったけど存在感は流石だった笑

詳細は触れられてなかったけど、ルイーズが昔テキサスで受けた性的暴行(あくまでも私の推測)が物語の軸にあるように思った。自分に経験があるから、テルマを同じ目に合わせたくないという思いと、性犯罪を許せない気持ちから最初の方のシーンで、テルマに暴行しようとした男を射殺したのだと思う。この射殺が物語の始まりとも言えるから、やっぱり雰囲気が明るくても、根は悲しい話だな…
あと、トラック?タンクローリー?の男が報復されたシーンは本当に最高だった。ああいう人はもれなく滅んで欲しい。

そして有名な(?)ラストシーン。私には解放感と自由の象徴であるように思えたし、完璧なラストであると言えると思う。勿論悲しくて自然と涙がこぼれてきてしまったのだけど。でも、今もし同じ映画を作るとしたら、違うラストを迎えるだろうなとは感じた。

今年で制作当時から30周年を迎えた今作。Twitterで見た、その記念イベントでのスーザンサランドンとジーナデイビスのツーショが最高だった。

もうここからは完全に余談だけど、テルマ&ルイーズにも、アカデミー賞の作品賞を取って欲しかったけど、だからといって羊たちの沈黙が作品賞を逃すのは私的にはやめて欲しいから、どうせなら違う年に公開して欲しかった。勿体ない…
また、当初はジョディフォスターとミシェルファイファーの2人で作るという予定もあったらしい。スーザンサランドンとジーナデイビスの2人は最高だったけれど、この2人版も観てみたかったなぁ。でもこの作品のことを好きになれて、また今も多くの人から愛され続けているのは、スーザンサランドンとジーナデイビスだからなのかなという気もする(どっち)

そしてラストシーンについてもう少し書きたいことがあるので書きますが(※ネタバレ含みます)

なぜあのシーンで2人は死を選んだのか。ハルが助けてくれて、刑務所には行かずに済むかもしれないのに。と少し疑問に思ったが、男に助けられる人生=男に支えられる人生は、2人がもう送りたくなかったのだと思った。ハルは純粋に良い奴だったけど、それでもやっぱりテルマとルイーズと彼の間には男女という力関係が働いてしまう。だから彼が良い奴だろうがなんだろうが、男というものに助けられるのは嫌だったのかなと思った。あと、2人が男性不信に陥ってる可能性もあると思った。
にしても手を強く握り合うシーンが本当に本当に好きでした。

円盤が欲しいけれど、廃盤になっているせいで、値段が上がってしまっているのが残念すぎる… 買えそうな値段で見つけたら絶対買います。
ni

ni