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テルマ&ルイーズのchsyのレビュー・感想・評価

テルマ&ルイーズ(1991年製作の映画)
4.0
過去がある女と
過去を後悔している女の
エンパワメント・ストーリー

過去があっても、今逃げ出す理由はなかったのに、その過去故に、引金を引いてしまった女

少女の頃から、男の横暴さを受け入れて生きることしか学んでこなかった女

警察が無傷で捕らえて、更生という名の檻で飼い慣らそうとするけれど、そうは行くもんか、私たち既に学習してるの、男の手に落ちたら自由はない。

自分でもできる。やって行ける。
そんな自信に満ち溢れた二人の笑顔が、照りつける太陽に輝く。

アメリカ映画のよくある砂漠。岩山。荒野のハイウェイ。

夜通し走った後、朝焼けの美しさに感動する二人。
きっと、この瞬間に生きてることや、その充実感に満たされていたんじゃないだろうか。

人は、なぜか自然の中で一人でいるときに幸福になれる。

目眩く自然現象の逐一を静かに受け止める時、人は、この中で生きてる生命としての自分をじっと感じ入り、深く理解するんだろうな。

そうだな。
ワタシはそういう体験のある人が好きだ。
私もそうだから。

しばし、一人で自然の中に身を置きたい。
それだけでいいや。
とりあえず。
今のところ。
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