ロードムービー、バディもの、女性が主人公のクライムアクション、どの視点でも一級の作品
アメリカン・ニューシネマで注目された『俺たちに明日はない:Bonnie And Clyde』や『明日に向かって撃て!:Buch Cassidy And The Sundance Kid』と同じ系譜を汲む作品で、設定や結末まで同じなのだが、本作は90年代的な洗練された印象を受ける作品。
道中のエピソードはどれを取っても印象深く面白いもので、特に専業主婦だったテルマの変わりように大変笑ったし楽しませてもらった。
雪だるま式に犯罪を重ね、追われる身でありながら解放感、自由な感じがよく出ていて、劇中でも「こんなに目覚めた感覚はない」と言っていて、普通の生活では決して味わえない感覚を見せてくれる。
最初は野暮ったく見えたテルマとルイーズが、終盤に化粧も落ちて煤汚れていくに従って魅力的に見えてくる。
前述した2作品同様、エンディングは鳥肌もので、特に本作のハッピーなエンディング・ロールに悲しさと爽やかさが入り混じった感動を与えてくれる。
巨匠リドリー・スコット監督の名作の中でも、最愛の作品である。