このレビューはネタバレを含みます
フェミニズム映画だが決して女性の解放を描いてはおらず胸糞は悪い。テルマとルイーズを追い立てたり道中に立ちはだかったりする存在を権威付けているのは間違いなく女性へのステレオタイプであって、二人にとっては地獄そのものだと思うが、しかし映画自体はその構図を強調するでもないから、単に女性二人の破天荒なドライブ映画と観ることもできてしまう。そこも含め、フェミニズムにおける「見えている世界が違う」という言葉を痛感する。
支配と偏見と抑圧から逃げ出すには死ぬしかない世界、まるで現実の悪趣味なパロディ。逃避行の各シーンは爽快ではあるが本当にラストで絶望する。