アベフランク

テルマ&ルイーズのアベフランクのネタバレレビュー・内容・結末

テルマ&ルイーズ(1991年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

途中までについて

問答無用でレイプは悪だが、この映画の主人公の2人、レイプにあった女(テルマ)、レイプ犯を殺した女(ルイーズ)の関係を見ていると、つい「お前がレイプにあったせいで私が殺す羽目になったんだろ」というセリフが脳裏に浮かぶ。それは違うんだけど、そう思わされる構造になっている。

いつの間にかレイプの罪はどこかに消え、殺人の罪の追求だけが物語を支配するようになる。「なぜ」殺人が起きたかを考えれば、元凶には勝手な男の言動があるとわかるのだが、「誰が」殺人犯なのかという論理で世の中は動く。その論理の中ではレイプの悪は存在しないことになる。

相手がレイプされなければ殺人犯にならなくて済んだ。相手が自首さえしてれば逃亡犯にならなくて済んだ。元凶の男が消え、レイプがあったという記録も残らず、男に振り回された女二人が、互いに責任をなすりつけ合うような気持ちを持ってしまうという大変痛ましい展開。

その後について

テルマがことをややこしくし続けている。確かにレイプにあったことには全く責任はない。しかしそれ以外のテルマの言動は、助けられていたはずのルイーズを死に引きずり込んだように見える。一方、ルイーズはそのことに気づいていながら、自ら助かる道を絶ったように見える。その選択が積極的・消極的どちらだったのかはわからない。
アベフランク

アベフランク