自堕落

南アフリカのダイヤモンド採掘地帯を舞台に、ある過去を抱えた男が再びこの地を訪れ、冒険を繰り広げる様を描いたドラマ

男も女も欲がスゴいです

大人な話
アクションもあります

人間模様
終盤はなんとも

俳優陣が豪華でした

アフリカの砂漠にあるダイアモンドの採掘地帯に群がる盗掘者たちを描いた作品。
隙あらばダイヤを奪ってやろうと画策するならず者、常に得な方に傾くどっち付かずの裏切り者、あわよくばおこぼれにありつこうと目を光らせる小心者、さまざまな欲望がどろどろと渦巻いている。
バート・ランカスター以外はワーナーの常連役者であり、『カサブランカ』に出ているのとほぼ同じような顔ぶれが脇を固めているので、見比べてみると面白い。
こちらでは、『カサブランカ』で勇気あるレジスタンスを演じていたポール・ヘンリードが悪役にまわっており、盗掘を防ぐ警備監督官の役を演じ、捕まえたバート・ランカスターを逆さ吊りにして女王様気分で鞭で打つなどしている。

都会でなく南アフリカのナミブ砂漠を舞台にしたノワールで、腹に一物を秘めた登場人物たちが化かし合いを展開するほか、バート・ランカスターがサディスティックな拷問に苦しむ場面も。
フランスから「ディードリヒ×ヘイワース」なる触れ込みでハリウッドへ渡ったコリンヌ・カリヴェの佇まいも、ひどく下品で雰囲気を盛り上げる。

監督にも比較的早い時期に、ドイツからハリウッドへ渡った経歴あり。
ランカスターに向かいカリヴェが跪く場面は、角度といい照明といい、撮影が非常に重厚。
またピーター・ローレの登場場面はかなり芝居がかっており、口先で台詞を弄ぶがごとく気障な演出、面白い。
さらにクロード・レインズ演じるキャラクターは、色仕掛けが功を奏さぬ抜け目なさ、何よりヒラヒラとした手の動きがゲイっぽい。