ポンコツ娘萌え萌え同盟

少年猿飛佐助のポンコツ娘萌え萌え同盟のレビュー・感想・評価

少年猿飛佐助(1959年製作の映画)
3.5
実写版見た後に見ると、合戦の代わりに(実写版で)見覚えのない可愛い動物が出てくることに虚をつかれた。
実写版は最序盤こそ合戦に父の死とシリアスっぽい始まりに対して、アニメ版ではコミカルな動きを見てほのぼのした雰囲気始まりの本作は、佐助の勇敢さと(無駄に歌唱が美声な)山賊を率いる悪の忍術使い夜叉姫との戦いを描く。

多少粗はあるが全体的にシナリオはこっちの方がまとまっている。
それが大きく現れたのが忍術を習得しに行く流れだろう。
実写版だと勇気を自ら得た後に佐助がおじさんに拉致られるように修業するのに対して、本作はおじさんの言葉から自ら忍術を学ぶために険しい崖を上り修業場所に行くのは説得力がある。
また実写よりも多い修業シーンから、佐助の勇敢さが一貫して描かれていたのも本作の方が上手だった。
一方で児童映画的な教育方針では実写版の方がストレートだ。
実写版の感想で書いた通り実写版は前半は児童映画らしい教育で後半はエンターテインメントの作風になっている。
アニメ版では一貫してエンターテインメントの内容になっている。逆に言えばこっちの方が楽しめる内容ではある。

アクションの迫力や忍術アプローチは実写版に劣るが、本作は前述したようにアニメらしいコミカルな動きから演出的な部分が楽しめる。
特に夜叉姫の踊りのシーンが印象に乗る。画面に花いっぱいから、暗転し一気に悪鬼らしくおどろおどろしい感じな踊りと背景に
なっていく。この演出はアニメならではだろう。
また動物たちで木から木に橋を作ってからブランコのように宙を描き渡っていくなど、ところどころ現実では不可能な描写も楽しめる。
また全体的に忍術アプローチは劣るとはいえ、こっちもそれなりに描けてるし何より忍術バトル的の部分はアニメ版の方が面白い。