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港の日本娘のmat9215のレビュー・感想・評価

港の日本娘(1933年製作の映画)
3.5
横浜(ハマ)を舞台にして、人名はドラ、ヘンリーにシェリダン耀子、そして台詞にも「夫(ハズ)」だの「舞踏会(ボール)」といった英語が頻出する。なぜか「ありがとう」は「メルシー」だ。ドラを演じる井上幸子とヘンリーを演じる江川宇礼雄はそれぞれ父親が西欧人で、役名に相応しい容貌をもつ。その中でヒロインは和装で名前は砂子。タイトル通りの日本娘だ。横浜と言えば、「港のトム」と呼ばれた男は後に内田叶夢になった。

前半の滑らかな移動ショットの数々は、エンディングで客船の横移動を捉える長時間のショットでリフレインされる。船と岸を結ぶ紙テープの束の質量も凄い。皆さんが指摘しているように、銃撃のジャンプカットや、毛糸玉が転がる場面も素晴らしい。
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