とちこ

港の日本娘のとちこのレビュー・感想・評価

港の日本娘(1933年製作の映画)
3.0
1930年代の横浜の山手?と思われる場所がロケーションとして使われ、高低差のある台地上からの撮影が印象に残ります。今みたいに高い建物が無い分、台地上からの眺めが素晴らしいです。「ありがたうさん」でもそうゆう地形で撮影していたので、清水宏監督の好みもあるのかもしれません。
好みといえば、彼は作品中に国際的なモチーフを持ってくるなと感じます。今回だと横浜というロケーション自体がインターナショナルな空間だし、なんと言っても江川宇礼雄さん演じるヘンリーという役柄も。前回見た「ありがたうさん」さんでも、トンネル工事に従事していた韓国人女性という設定の人物が出てきていました。
あとはショットの構図や撮影の仕方で面白いなと思う表現が結構ありました。たとえばドラと砂子のところへ、ヘンリーがバイクに乗って到着するショットは木立の間にバイクが入るような構図になっていました。あとは、ショットを切り替えるごとに、遠くの被写体に近づいていくような編集方法とか。テレ東のドラマ「孤独のグルメ」でもゴローがお腹減った時によく使われてるやつですね。
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