るるびっち

独立愚連隊西へのるるびっちのレビュー・感想・評価

独立愚連隊西へ(1960年製作の映画)
4.0
一作目よりナンセンス度が増している。
一作目の独立愚連隊は脇の話で、メインは軍隊内部の殺人事件潜伏調査の話だった。
恐らく企画を通す為にミステリー仕立てにしたが、監督の狙いはやさぐれ軍隊のアナーキズムの方だろう。
だから犯人発覚後、置き去りにされた愚連隊のヤケクソ奮闘ぶりを長々描いていた。本当はそこがやりたかったのだ。

今回は頭から終わりまで、上の連中に振り回される独立愚連隊のやけくそぶりを描いている。
穴の開いた軍旗を命がけで捜索する非人道的行為。
人命より穴だらけの軍旗が大事というバカバカしさ。
しかし愚連隊も、敵より女のケツに突撃するケツ作さ。
休戦はふんどしの白旗で。
野卑ながら、生命力に満ちた男たち。
明日死ぬかもしれない中で、下らない命令に振り回される兵隊たちのやるせない思いを笑いに織り交ぜ書いているのだ。

人命よりも軍旗が大事っていうのは、最近も感じた話だ。
人命よりもオリンピック優先。
保健所の仕事を減らす為、病床逼迫したから自宅治療。
そもそもPCR検査が広まらなかったのも病院搬送が遅れるのも、保健所を通さなければいけないからだ。保健所の存在価値や既得権益を守る為に、中間に保健所を置いているのだ。
利権を尊重して患者を見殺しにしている。
先日の自宅出産での赤ん坊の死も、コロナに殺されたのではなく保健所の既得権益死守の犠牲だろう。
自宅治療とか自宅出産とか、もはや未開の国と変わらない。
昔も今もこの国のリーダーは、国民の方を向いていない。
彼らにとって大事なのは、軍旗だったりオリンピックだったり利権や旧組織の存続だったりするのだ。
国民の命も新生児の命も、二の次三の次だ。
人の命は地球より重いと言うが、きっと風船で出来た地球なのだろう。
国民はやさぐれて、愚連隊になるしかない。
突撃すべきは、敵でもコロナでも女のケツでもなく、愚かな統治者たちに向かって突撃すべきなのである。
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