ガローネ初期作。小男ペッピーノにアシスタントとして声をかけられ高額な報酬に釣られた青年ヴァレリオが気づけば戻れない場所に立っている怖さ。見た目まで乱れ狂ってゆくペッピーノと異質な三角関係で露になる人の内面のグロさはリアルとファンタジーの狭間に放られた感覚。
字幕がないので感じとるしなく、もしかしたら少し違う話なのかもしれないし、マフィア絡みから抜け出せなくなったどっぷりサスペンスとして捉える方もいたりと様々だと思います。私は監督が大好き(?)でテーマによく取り上げているイタリアンマフィアの情勢も絡めつつ描きたかったのは、異質な恋愛と内面のグロテスクさなのかなと思いました。
とにかく雰囲気もガローネ監督お得意の水の波紋のような音も、のっけから響いて心地よいし、監視カメラのように客観視したような鳥目線のぐわんとしたカメラアングルもおもしろい。『ほんとうのピノッキオ』の流れで発掘良品とかで字幕版出してほしいです。劇場でやるならなおさら幸ですけど。