母親の薬賃を稼ぐために禁断の“もののけ島”にやって来た兄について来た幼い小竹は、すったもんだの末、一人島に取り残されてしまう。
しょうがなく小竹の面倒を看る事になったもののけのナキとグンジョウだったが、共に生活をしていく内に絆を育んでいくのだが…というお話し。
浜田廣介氏原作の児童文学『泣いた赤鬼』をベースにした作品。
人は他者を疑う心と思い遣る心を持っています。
そんな中でグンジョウとは、ヒトの優しさの象徴なのか、ヒトの弱さの犠牲者なのか。
友情や思い遣りを描いた作品ではありますが、それと同時にヒトの弱さがもたらす疑心と思い込みからくるディスコミュニケーションによる悲劇も内包しているように思います。
もしも誰か一人でも勇気をもって正面から解り合おうとすればみんなで幸せになれたかも知れない。
僕たちは誰も犠牲にさせない明るい未来への道を、グンジョウの背中から見出さなければいけないと思います。