🪕主演のジョージ・クルーニーを筆頭とした【スブ濡れボーイズ】の歌唱力を満喫できる一作。特にカントリー・ミュージック好きにお勧め。個人的には『インサイド・ルーウィン・デイヴィス』と並んで好きな作品。
🪕ホメロスの『オデュッセイア』をアメリカの30年代(大恐慌時代)に舞台を置き換え、脱獄囚3人組がミシシッピ州で現金120万$を強奪するまでを一種のビルドゥングス・ロマンとして再構築したコーエン兄弟お得意のロード・ムービーである。
🪕実は本作、プレストン・スタージェス監督の『サリヴァンの旅』という映画に出てくる小説【O Brother, Where Art Thou?】が翻案となっており、何らかの因果関係を感じさせる作りとなっている。そちらを読み取るのもまた乙な作品である。
🪕毎回変なキャラ、或いは曲者が挙って集まるコーエン兄弟的世界が本作でも炸裂している。シナリオがガッチリ固められているので飽きずに楽しめる痛快コメディとなった。やはり『インサイド・ルーウィン・デイヴィス』同様にアメリカ文化批評みたいな趣きを感じさせる。些か変化球的な作りのコメディなので純粋に笑える要素は少ないかも知れない。