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ゆきゆきて、神軍のQuuのレビュー・感想・評価

ゆきゆきて、神軍(1987年製作の映画)
3.7
初っ端ぶっ飛んでる車に乗りながら犯罪歴自慢してるし国家は人類を消滅させる、人間が作った法律ではなく神の法律に従えとか言っててアタオカすぎて見るのやめようかと思ったけど、最後まで見て納得。

奥崎の「必要なことであれば暴力を使う」最後に聞くと全く言葉の捉え方が変わる。
殺人未遂を犯すのも戦争という自分達が携わった大きな犯罪に対してどうにかして供養したいという思いから。
「銃殺事件の真相を全て話してもらうことが被害者に対して本当の供養であり、あの忌まわしい戦争を二度と発生させないために役立つことになり、償うことになる」
罪を償えるなら人殺しだってする。

戦争ってなんの意味があるんだろう?
敗戦した国も勝戦した国も、戦ってきた国民には大きなトラウマと一生背負わないといけない罪を背負わせるだけ。誰得?

戦争のことなんて考えてなくてみんな生きることに必死。自分が同志に殺されて食われなかったのは水がある山を当てられたからだみたいな話をしてて
そういう経験をしてきた人が終戦数十年後は普通に子供もいて暮らしてるのがあまりにも残酷だった。
その時代に男に生まれたことが本当に不運だった。ただそれだけ。

個人ベースでは誰にも罪はない。
悪いのは国家だ。確かに。
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