Rio

ゆきゆきて、神軍のRioのレビュー・感想・評価

ゆきゆきて、神軍(1987年製作の映画)
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「忌まわしい戦争を二度と起こさないために」

戦争の悲惨さを後世に伝えるドキュメンタリー

終戦23日後の隊長による2名の部下銃殺事件の真相に迫る

「立派な人間とはどうゆうものでありましょうか?」

カメラが密着するのは奥崎謙三という男性

Anarchy In The JP

自ら「神軍平等兵」と名乗り、天皇の戦争責任を追求し、反体制活動をする前科者のバッテリー商
「田中角栄を殺す」と書かれた街宣車に乗り演説をする過激な活動家

いつでも過激! どこでも攻撃!

太平洋戦争でニューギニア戦線から帰還した奥崎氏は、36年前残留部隊にいた生き残りの元兵士、元上官の家を遺族と共に訪ね当時何があったのか真相を聞き出そうとする 

知らぬ存ぜぬは許しません 

暴力的で危険、関わりたくないタイプの人物だが、礼儀正しく情が深い一面もある
狂気すら感じる行動は歪んだ正義、、、
警察も死も何も恐れるものなどなく突き進む

奥崎氏は
亡くなった兵士を弔うために
体験したことを語るべき
地獄を語らずに供養にはならないと言う

しかし、今はそれぞれが子供や孫に囲まれ幸せに暮らし当時の事は忘れようと生きている
思い出したくない過去
記録にも書けない恐ろしい出来事
誰も真実を語ろうとはしない

皆言うことが違う、、、嘘を言っている

兵士同士の「食人事件」というタブー
黒豚、白豚、代用豚
元衛生兵の浜口氏の声がとても味があり、昔話を聞いているような気持ちになるが、内容はとても悍ましい
飢餓極限状態の人間の生き延びるための手段

みかんを使って処刑の立ち位置を再現しようとするシーン
みかん見るたび思い出してしまう

本作はドキュメンタリーだけれども劇映画であるということ、奥崎氏が過剰な演技をしていて、ヤラセではないが現実に肉迫するための演出をしていたとの事を教えて頂き、今回再鑑賞した

そういった視点で見ると
演出かな?と思うシーンがいくつか、、、
亡くなった兵士の母が墓参りをするシーン
母が歌う
「母は来ました〜今日も来た〜」
途中歌詞を間違えたようで、カメラのほうをチラチラ見る
これは感動的に見せようと歌わせてるなって感じた

演出するなら、山田軍曹の家で揉み合いになるシーン、壁に掛けられた鏡をもっと上手く利用してほしかったなと凡人は思った

奥崎氏の言う神とは?神の法とは?
宇宙人の聖書とは?

破天荒な夫と添い遂げた妻シズミの気持ちが知りたい

所々聞き取れない所があり、字幕をつけてほしい

エンドロールで
企画 今村昌平
ってことに驚いた

激重衝撃ドキュメンタリー
よくこんな作品製作できたな、、、
原一男監督凄い

ドキュメンタリーというものを改めて考えさせられる

奥崎氏の本心なんてわからないし
行動が正しいか正しくないかそれはさておき
この事だけは伝わる

戦争はなにもかもを狂わせる
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