メイマーツインズ

鉄道員(ぽっぽや)のメイマーツインズのレビュー・感想・評価

鉄道員(ぽっぽや)(1999年製作の映画)
3.5
【名作を観ようシリーズNo.74】
《ありがとう…この想い、届くだろうか》

浅田次郎原作、降旗康男監督×高倉健主演の珠玉のファンタジー作品。ソフト所有で再鑑賞。
降旗康男監督と高倉健といえば昭和の名作”駅 STATION〟を思い起こす。
日本人ならではの情緒を描かせたら、このタッグは最高だろう。
今作も情感に溢れている。

不器用で実直な”ぽっぽや〟佐藤乙松。一人娘を亡くした日も、愛する妻を亡くした日も、彼は駅に立ち続けた…

自分にはまだ幼少の娘がいる。親という立場で初めてこの作品と向き合ってみた。
やはり独身の時とは感じ方がかなり違う…
クライマックスのシーンは、胸が張り裂けそうだ…
高倉健ならではの懐の深さ…。セリフではなく佇まいで観る者の心を優しく包み込んでくれる。
大竹しのぶ、小林稔侍、広末涼子といった存在が、この愛と奇蹟の幻想的な物語を温かく崇高なものに。
採点が3.5なのは、脚本と構成に物足らなさを感じたから。物語が素晴らしいだけに、惜しい…

志村けんの貴重な映画出演シーン。彼らしいコントさながらの痛快な演技で魅せている。意外にもドリフ関連以外の映画の出演は、この作品だけだった。
亡くなられて約1年…
彼が主演予定だった山田洋次監督作品”キネマの神様〟が、沢田研二代役で今夏公開される。
映画にドラマにと役者としての新境地に意欲的だった志村けんさん。
本当に残念でならない…