しゃりあ

クレヨンしんちゃん 電撃!ブタのヒヅメ大作戦のしゃりあのレビュー・感想・評価

4.4
これだけなんかクリップし忘れてたっぽい
最近またハイグレから見返しているけれど、90年代クレしん映画はヤバい

本郷みつる監督作品4作では、古典的に3枚のお札的なお助けアイテムや、手下を倒してラスボスへという王道の流れが踏襲されていながらも、手を変え品を変え、既視感のないストーリーが描かれている
また、しんのすけがほとんど「子ども」として登場しているのも特徴的で、実は『クレヨンしんちゃん』的なものはテイストや小ネタ程度しか存在せず、テレビシリーズを換骨奪胎し、プロットに重きを置いた作品作りがなされているのが特徴のように思う

今作では、これまで本郷みつるの元で助監督をしつつ、前作からの「しんのすけ」としてのキャラクターに焦点を当てた描写を一層磨いて、TVシリーズの延長線上にある物語という『劇場版クレヨンしんちゃん』を提示してみせた意欲作

家族の話だった前作から、春日部防衛隊に主役が回ってくる

アバンなんかは当時原恵一がエヴァにハマっていたとのことで、ブリブリ王国の秘宝から受け継がれてきたバキバキのアクション描写に、さらにリアリティが足されているし、いろいろとまんまエヴァな演出も多い
他にも引用でいえば、軍事ウィルスぶりぶりざえもんは、「核ミサイルのスイッチ」というセリフもあるように、そっくりそのまま攻殻機動隊プロジェクト2501だ

過去のアニメ作品を引用しつつも、それだけにとどまらず、お色気と筋肉の家庭、春日部防衛隊それぞれのパーソナリティ、しんのすけとぶりぶりざえもん等、それぞれのサブプロットにも、印象的なシーンやセリフによってしっかりとテーマ性を載せていくことで、全体の強度を高めている
細かいところで言えば、ギャグがギミックに繋がる相撲スーツの伏線なども普通に鮮やかではある

原恵一といえば、劇画調の演出が見た目にも技術的にもヤバくて楽しいが、それよりもやはり前述のように「5歳児 野原しんのすけ」を「クレヨンしんちゃん」というキャラクターとして立ち上がらせたことが大きいのではないかと思う

もちろんこの傾向は年を追うごとに強くなっていく印象

いや〜でもこの辺はその塩梅が上手いなぁやっぱり