たか

北辰斜にさすところのたかのレビュー・感想・評価

北辰斜にさすところ(2007年製作の映画)
5.0
 かなり泣いた。涙が頬を伝わって、アゴから落ちた。こんなの久しぶりだ。戦争映画ではこんなに泣けないのに、これはきっと憧れのポジティブな涙なんだろうなと思った。
 「北辰斜にさすところ~♪」が、今でも脳裏に焼きついて離れない。
 私自身、'70年代生まれだが、旧制中学校を前身に持つ男子高だったため、この蛮カラ気風が残っており、それと重ね合わせて懐かしくなった。
 敢えて「遠き良き時代」と表現したいし、そう感じた。そして、その環境から得られる大切なものも感じた。
 「天才的な馬鹿になれ、馬鹿の天才になれ!」
 若い時に馬鹿になる体験、きっと重要なんだろうな。それができないまま大人になったり、ずっと馬鹿のままでいる大人、色々と現代社会を考えしまった。
 ところで、緒形直人が旧制高生を演じていた。15年以上前に「予備校ブギ」で浪人生を演じていたのに、40歳の旧制高生、不思議と違和感がなかった。
 馬鹿の必要性と、人情味溢れる時代を感じる事のできた、かなりお薦めできる作品である。
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