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恋愛専科のkuronoriのレビュー・感想・評価

恋愛専科(1962年製作の映画)
4.0
原題はROME ADVENTURE の筈。LOVERS MUST LEARN ってのは何処から来たんだろ?たしかに内容的にはそんな感じもありますが。

正直に言いましょう。只のアイドルの観光映画です。
だけど、なんでこんなに好きなのか?主演の二人が本気で恋愛してるからか?
トロイ・ドナヒューとスザンヌ・プレシェットはこの映画の翌年(翌々年?)に結婚して、9ヶ月で別れます。
「遠い喇叭」の頃はまだギリギリ結婚してたのかな?

トロイ・ドナヒューが出て来るのは始まってからかなり経ってからですが、出てきた瞬間、一瞬にして(こいつが本命か!)とわかります。華があるってこうゆうことか?いや、赤いセーターのせいか?(笑)
対するはロッサノ・ブラッツィ。この頃の映画でイタリア人の色男役といったら必ず彼のような気がしてしまうのですが、調べてみたら「愛の泉」とか「旅情」とか本作とか印象に残る映画でイタリアン・ラヴァーをやってるだけで、私が思ってた程の数は無いようです。逆に驚きました(笑)。
ヒロインのスザンヌ・プレシェットに対するのは「リオ・ブラボー」のフェザーことアンジー・ディキンソン。ドナヒューの元カノ役ですな。フェザーとはうってかわって厄介な女を演じてます。

要所で流れる印象的な曲は、エミリオ・ペリコーリの「アル・ディ・ラ」。レストランで歌っているのがご本人ですよね。この映画の前年の1961年のサンレモ音楽祭の優勝曲なんですが、サンレモで歌ってたのはルチアーノ・タヨーリとべティ・クルティス(サンレモは『曲』のコンテストで、ひとつの曲について二人の歌手が担当する。)なので、エミリオはカバーなんですが、この映画のおかげで自分的には「アル・ディ・ラといえばエミリオ・ペリコーリ」となってしまっています。映画は強いですね。

素晴らしいのは、この映画に出て来るローマとイタリア北部の風景。1962年の映画ですが、この風景、現地に行けば実は今でもほとんどそのまま観られるってのがまた素晴らしい(いや、これはイタリアが素晴らしいのか?)。
イタリア旅行の予定がおありなら「ローマの休日」と、この「恋愛専科」は観ておくのをお薦めします。特に本作はカラーだし、多分に観光映画の要素があるので「ああ、あのシーンの場所だ!」と思うところ満載です。しかし残念なことに、スザンヌ・プレシェットが歩いた、早朝の人影の無い静かなローマの町だけはありません。何時だって観光客だらけですから(笑)。
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