のりまき

デビルズ・バックボーンののりまきのレビュー・感想・評価

デビルズ・バックボーン(2001年製作の映画)
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この作品とても好き。

寄宿舎に連れてこられた少年に割りあてられた12番のベッド。以前そこを使っていた少年は行方不明になっていた。夜な夜な現れるのは彼なのか?
いつものファンタジー要素は抑え目に、戦争を背景にどこか歪な寄宿舎で展開される人間模様。
老人というのがデルトロ作品の重要なシークエンスのひとつなんだけと、一般受けが悪いためかいつもは抑え目。なのに今回はかなり重め。素敵。老人の恋愛や生き様に滾る人にはおすすめ。
幽霊譚としてみても面白い。
何しろサンテくんのシャイさ。画面手前で隠れている幽霊なんて初めてお目にかかった。
スペインの強い太陽。その下ではあまりに影は黒黒とし、その元では死人が実体を持って歩いてしまいそうな印象。スペイン人は頭や肌じゃなく、血で霊を存在させてしまうようなところがある。
ホラーの枠を超えた戦争物や愛憎劇にそのままはめこめそうなリアルな死。それを幽霊譚の中に組み込めてしまえる民族性。条理と不条理を一緒くたにしてしまえる南の民族。
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